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ジープの歴史 -豆知識 MB-

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第一次世界大戦の頃から、米国陸軍は速くて軽量の全地形型偵察用車輌を探し求めていました。そして1940年初頭、独伊枢軸軍がヨーロッパおよび北アフリカで勝利を挙げるにつれて、事態は急変。迅速に新型車を開発する必要が生じ、米国陸軍は呼び集めた自動車メーカーに、わずか49日間で大まかなプロトタイプを開発するよう要請しました。
その時に、政府が示した仕様は次のようなものでした。
・車輌重量:約1,300ポンド(約590kg)  
これはまったく非実的であることが判明し、後に2,160ポンド(約980kg)まで引き上げられました。
・四輪駆動
・エンジン(最高出力):45馬力
・ホイールベース:80インチ(約2,030mm)以下
・トレッド:47インチ(約1,200mm)以下
・最低地上高: 6.25インチ(約160mm)以上
・有効積載量:600ポンド
・エンジン冷却装置:低速走行をしても、エンジンのオーバーヒートを防ぐ性能

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130社を超える自動車メーカーの中でその要請に応えたのは、陸軍に過去何度か偵察用車輌を納入してきたバンタム・カー社と、ウィリス・オーバーランド社のたった2社だけでした。しかし、49日間という期限は大きな問題でした。ウィリス・オーバーランド社は、プロトタイプの完成に必要な期限を幾分延ばしてもらえるよう陸軍に頼みました。またバンタム社がこの要請に応える唯一の望みは、社外から助っ人を呼ぶことだけでした。
後にウィリスMBとなった試作車を設計したのは、デトロイト出身のカール・プロブストというエンジニアで、これまでにいくつかの自動車メーカーに勤務した経験がありました。国防諮問委員会の委員長ウィリアム・S・ヌードセン(元ゼネラル・モーターズ社長)の支持を受け、プロブストは無給で国家のための大仕事を引き受け、1940年7月17日、仕事を開始しました。そして、驚くことにわずか2日間でジープの前身であるバンタム社のプランを完成させました。7月22日、この新しい設計図によって完璧なものになったバンタム社のプランが落札されました。この入札に際して、バンタム社は政府が示した重量制限1,300ポンドを超えていないと公言していましたが、実際はこれをはるかに超えた重量でした。
バンタム社のハンドメイドによるプロトタイプ第1号車、49日間という期限を守り、1940年9月21日までに完成。米国陸軍は、このバンタム社ジープのプロトタイプを、全行程3,400マイル(約5,470km)、そのほとんどが未踏地という恐ろしく困難なテストに出しました。試験官たちは「この車はパワーも十分であり、仕事に必要とされる性能すべてを備えている」と結論づけました。

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最終的には、ウィリスとフォードの両社が、陸軍から提供されたバンタムの設計を元にしたプロトタイプ車を提出しました。ウィリス社の「クォード」とフォード社の「ピグミー」は、バンタムの設計に独自の変更と修正が加えられていました。
たとえば、ウィリス・クォードの場合は、指定された重量制限をオーバーしていた原因のほとんどは、その素晴らしいエンジンにありました。しかし、後に重量制限が引き上げられたため、結局はウィリス社の強みとなりました。その「ゴー・デビル」エンジンを備えたウィリスのプロトタイプ車は陸軍が要求したパワーの仕様に適合した唯一の車でした。実際、そのトルク105ポンド‐フィートは、求められたエンジン出力を超えていたばかりでなく、バンタム社の83ポンド‐フィート・エンジンやフォードの85ポンド‐フィート・エンジンを必要以上に貧弱に見せてしまったのです。
バンタム社の製造上および財務上の不安定な状態と、ウィリス社の優位性を照らし合わせた結果、陸軍の契約はウィリスのものとなりました。陸軍省は、比較的短期間のうちに大量の車を製造するよう要求し、ウィリス・オーバーランド社はアメリカ合衆国政府に対し、ウィリスの仕様を用いて他社に車の製造を行わせる非独占的ライセンス権を付与しました。この契約に基づき、ウィリス社はフォード・モーター社に完璧な仕様を提供しました。
第二次世界大戦中、ウィリスとフォードの2社は70万台以上の発注を受け、ウィリス・オーバーランド社は元祖ウィリスMBを33万台以上も生産したのです。

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